ネット怪談|東京都
コトリバコ
伝承の範囲
特定の地域を持たないが「関東のある地域から東京に持ち込まれた」という語りが流布
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
2005年6月6日、2ちゃんねるのオカルト板に一つの投稿が現れた。間引かれた子どもの遺体の一部を使って作られ、女性と子どもだけを取り殺すという呪具の話——「コトリバコ」。反響はすぐに広がり、その日の夕方には専用スレッドが立てられていた。
投稿の中でこの箱は「子取り箱」と説明され、被差別部落に伝わる呪具として描かれる。実在の差別の歴史と結び付けた設定が話に重みを持たせたが、そうした呪具が実際に存在した証拠はどこにもない。あくまで2005年のこの投稿を起点とする、インターネット発の物語である。箱の段数で呪いの強さが変わる、ある段数を超えると男性にも影響が及ぶ、といった設定も、後から書き足されていったものだ。
やがて「これを持っていた人間が東京に越してきた」「関東のどこかからこの箱が都内に持ち込まれた」という都市部絡みの変形が生まれた。実在の地名に架空の呪具を重ねることで、話は具体性を帯びていく。
投稿から二十年が過ぎた今もコトリバコは参照され続け、映画やゲーム、漫画に題材を提供してきた。掲示板発の一本の書き込みが、これほど長く語り直され続けていること自体が、もはや一つの怪異と言っていい。