ネット怪談|東京都
きさらぎ駅の東京変形譚
伝承の範囲
特定の場所を持たないネット発祥の怪異。「東京の地下鉄で起きた」という変形が流布
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
「乗ってた電車、なんかおかしい」——2004年1月8日の深夜、2ちゃんねるのオカルト板に「はすみ」と名乗る人物がそう書き込んだ。走行中の電車が見覚えのない路線に入り込み、やがて「きさらぎ駅」という聞いたこともない駅に着いたという。スレッドはその後4時間、実況形式で更新が続いた。
この投稿が広く知られるようになると、東京の地下鉄を舞台にした派生が現れ始めた。深夜の最終電車、いつの間にか路線図にない駅名が表示される、環状線のはずが降りた先の駅名が読めない——都心の鉄道網は本物の乗客でさえ迷うほど入り組んでいて、その現実の戸惑いが怪異の語りと相性がよかった。
スマートフォンの普及後は「地図アプリに乗せていない駅」という一文が加わった。「乗り換え案内が該当路線を表示しない」という投稿もSNSで時々見かける。実際の交通システムでは起こりえない設定だが、それを承知の上で楽しむ層が話を延命させてきた。
原典の投稿は2022年に映画化され、以来も新しい変形が途切れず生まれ続けている。日常のインフラに開いた、たった一つの見えない駅——それが今もこの話の核である。