都市伝説|京都府・京都市北区
深泥池のタクシー怪談
伝承の範囲
深泥池(みぞろがいけ)は京都市北区上賀茂にある天然池。平安京の鬼門(北東)の外側に位置する
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
消える乗客——全国に広まったこの型のタクシー怪談は、深泥池を発祥の地として語られることが多い。
夜、雨の中を歩く女性を乗せた運転手が、指定された深泥池方面へ車を走らせた。ところが池のほとりに着くと、後部座席の女性の姿がない。座席だけが濡れていた。運転手は交番に届け出て、警察も動いたが、女性の行方は分からずじまいだった。後日、その晩に京大病院で亡くなっていた女性が深泥池周辺の出身者だったと分かったという。1969年の出来事として当時の新聞にも載ったと伝えられ、この記録の存在が話に実話めいた重みを与えてきた。
深泥池は平安京から見て鬼門にあたる北東の外れに位置する。鬼の出入り口とされてきた方角にあるだけに、この一帯には怪異の話が集まりやすい土壌があった。天然の浮島を持つ珍しい生態系であると同時に、大蛇が棲むとも、近づくと引き込まれるとも言われてきた場所だ。
当時のタクシー運転手の間では、夜間は深泥池付近の女性客を乗せなくても構わないという空気が生まれたほど、同種の体験談が積み重なったとも言われる。一件の事件というより、繰り返される型として定着していった点にこの話の特徴がある。どこまでが事実でどこからが尾ひれか、その線引きの曖昧さが、この話を長生きさせている。