百物語

学校の怪談|北海道

冬の音楽室のピアノ

伝承の範囲

北海道内の複数の中学校・高校。特定校名は流布していない

記録の扱い
伝承・都市伝説として記録
参照情報
2
最終確認
2026-07-09

窓が鳴り、廊下の暖房パイプが膨張してきしむ音を立てる。北海道の学校の冬は、建物そのものがずっと何かを喋っているような音に満ちている。だから放課後の音楽室から聞こえる音は、他の地域よりも真偽の判定が難しい。

複数の中学・高校で語られてきたのは、こんな話だ。施錠後に見回っていた教師や部活の生徒が、音楽室から単音を繰り返すピアノの音を聞く。確認しに行くと誰もいない。窓の外では吹雪が続いている。翌日、鍵盤に触れた跡は見つからない。似た体験談は一校にとどまらず、道内の複数の学校から寄せられており、「放課後の音楽棟には近づかない」という決まりごとが自然にできあがった学校もあったという。

古い暖房設備や窓枠の歪みが弦に振動を伝えることは、実際に起こりうる。それでも、その説明で気が済まない生徒は一定数いた。理屈より先に、暗い廊下を歩く体のほうが先に納得してしまうからだろう。

半年近くを雪と低温のなかで過ごす道内の子どもたちにとって、日が落ちてからの校舎は、他の地域とは違う顔をしていた。

初出・流布時期(推定含む)

全国的な「音楽室のピアノ」怪談の北海道型。冬の降雪期という季節条件と結びついた形で流布

類話・バリエーション

  • ・深夜に一人でに鍵が押される説
  • ・吹雪の夜だけ音がするという地域型

出典・参照

伝承の実在・流布を確認した日: 2026-07-09

本記事の内容は伝承・都市伝説を基にした読み物です。特定の実在個人・実在団体を指すものではありません。