都市伝説|北海道・札幌市
西岡水源地の水面
伝承の範囲
札幌市豊平区西岡。旧陸軍第7師団の水源として明治29年に整備された池。現在は西岡公園として整備
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
春から夏にかけて水芭蕉が群れ咲く西岡公園の貯水池は、散策する市民の姿が絶えない。明治時代に陸軍の水源として整備されたこの池は、月寒川の上流域がかつて陸軍の官林だった名残でもある。明治二十九年、第七師団の用水として手が加えられた。
ただし日が沈んだあとのこの池は、昼間の穏やかさとは異なる語られ方をしてきた。水面に手首が浮かんで見えた、水中から腕が伸びてくるような感覚に襲われた、という体験談が数十年にわたって断続的に記録されている。池のほとりに立つ古い貯水塔の周辺では女性のすすり泣くような音が聞こえるという証言もあり、園内の休憩小屋付近で人影を目撃したという話も繰り返されてきた。
池の周辺では過去に複数の変死が公文書に記録されている。地元の年配者のなかには、若い頃から「日が暮れたら近づかない場所」と教えられてきたと語る者もいる。軍の水源として造られた歴史と、その後の公園としての転身が、この場所に二つの時間を重ねてきたと言えるだろう。
貯水塔だけは今も昔と変わらぬ姿で水辺に立ち、公園を訪れる散策者を静かに見下ろしている。