病院の怪談|北海道
廃炭鉱街の病棟に灯る窓
伝承の範囲
北海道内の廃炭鉱・廃村跡に残る医療施設跡。複数の炭鉱地区に類似の伝承が存在する
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
羽幌、夕張——道内に点在するかつての炭鉱街には、決まって同じ話がある。「閉山から何年も経ち、電気も通っていないはずの病院の窓が、夜になると明るく見える」というものだ。
最盛期には数千人から一万人規模の人口を抱えた炭鉱街には、病院、学校、映画館まで揃い、山の中だけで生活が完結していた。閉山とともに人が去り、建物が朽ちるに任されるようになってから、こうした噂がぽつぽつと生まれ始めた。
窓明かりだけでなく、白衣姿の人影が廊下を歩いていた、入院着らしき服の人物が窓から外を見ていた、という証言も各地で記録されている。ある炭鉱跡地では、立入禁止の看板を無視して敷地に入った者が、翌朝病院跡の前で発見されたという話まで語られる。
炭鉱労働にまつわる事故や職業病で命を落とした人々を、これらの病院は長年にわたって受け入れてきた。街の繁栄と衰退を最前列で見続けてきた場所だからこそ感情の濃い記憶が残りやすいと言われればそれまでだが、実際のところ理由を特定するすべはない。建物が解体されても話だけは次の世代へ伝わっていく。かつてそこに何があったかを示すのが、今ではその話だけになってしまった炭鉱跡地は、道内にいくつも存在する。