トンネル・山・廃墟|東京都・青梅市
旧吹上トンネルの怪
伝承の範囲
青梅市吹上にある旧吹上トンネル(1953年開通の旧道側。車両通行止め)。公道脇の公共インフラ
- 記録の扱い
- 伝承・都市伝説として記録
- 参照情報
- 2件
- 最終確認
- 2026-07-09
青梅市の吹上には、1904年開通の旧旧トンネル、1953年開通の旧トンネル、1993年開通の現行トンネルという三世代が実際に並んで残っている。このうち怪異譚が集中して語られるのは、現在車両通行止めとなっている1953年開通の旧トンネルのほうだ。
話の核にあるのは「昭和30年代、近隣の茶屋で複数の死者が出た事件」で、その関係者とされる霊が白い装束でトンネル内に現れるという。事件そのものの詳細な記録は公的には確認しづらく、伝わる過程で細部が変形した可能性は高いが、「近くで何かがあった」という認識だけは地域内で共有されてきた。
子どもの泣き声がトンネル内から聞こえるという証言も複数ある。トンネル構造による音の増幅・変形という説明を聞かされてもなお、「あれは自然の音ではなかった」と言い切る体験者がいるのも事実だ。内部の落書きや放置された物が、雰囲気をいっそう重くしているという声もある。
1904年開通の旧旧トンネルは現在完全に封鎖され、1953年開通の旧トンネルは歩行者・自転車のみ通行可能となっている。三世代のトンネルが重なる地形、廃道特有の空気、日没後の暗さ——これらが揃って怪異の語られやすい場所になったというのが実情に近いだろう。公道脇の公共インフラであるがゆえに、史跡としての価値と怪異の噂が同じ場所に同居しているにすぎない。